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北朝鮮のニューリッチが首脳会談失敗で「ひと安心」する理由 (2/3ページ)

 平安北道(ピョンアンブクト)の情報筋によると、新義州(シニジュ)を本拠地にして外貨を稼ぎ全国の市場を牛耳っているトンジュたちは「最高尊厳(金正恩氏)が米国の大統領に会いにベトナムまで行ったのだから、ベトナム式改革開放を朝鮮に導入する可能性が高い」と期待を見せつつも、こんな不安ものぞかせた。

 「南朝鮮や米国など、国際的な投資が大規模に入ってくるのではないだろうか」(情報筋)

 新義州は現在、金正恩氏がぶち上げた都市再開発プロジェクトで不動産バブルに沸いている。

 現地のトンジュたちはその恩恵を十二分に受け、「濡れ手に粟」で潤っているだろうが、それでも世界的に見れば、自分たちの投資など「はした金」に過ぎないことをよく認識している。世界各国の巨大企業が北朝鮮に進出すれば、オイシいところは全て奪われてしまうのではないかと心配しているのだ。

 「今までトンジュは、国家権力の庇護の下に国営工場に投資して儲けたり、貸金業を営んだりして、経済の流れをリードしてきたが、その主導権を失うことは明らかだ」(情報筋)

 新義州のお隣、龍川(リョンチョン)の別の情報筋も、トンジュの抱えている不安を伝えた。

 トンジュたちは、当局が共産党の独裁体制を維持しつつ海外投資を誘致し、経済を発展させた中国やベトナムの経済改革方式を自国に導入する案を研究していることを、現地の幹部から伝え聞いている。また、同じことを韓国のラジオを聞いて確認している。

デイリーNKジャパン

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