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【高橋洋一 日本の解き方】米朝会談決裂はトランプ氏の真骨頂 期待裏切られた中韓と北朝鮮…安易な妥協なく日本に好結果 (1/2ページ)

 2回目の米朝首脳会談は、合意文書を発表できないまま終わった。米朝、韓国、日本などにとってどのような影響が生じるのか。

 トランプ米大統領の会談決裂後の記者会見とその後の北朝鮮の李容浩(リ・ヨンホ)外相の記者会見を総合すれば、全体が読める。米朝双方が持ち出したのは、一部非核化と一部経済制裁解除。これで解決を拒んだのが米国、望んだのが北朝鮮だった。こういう交渉の場合、まとめたいほうが不利になる。トランプ氏のモットーとして、「交渉はいつでも席を蹴る覚悟で行う」というものがある。今回はトランプ氏の真骨頂が出た。

 つまり、北朝鮮は交渉をまとめて一部経済制裁解除を求めている。ということは、経済制裁が機能しているということで、このままの状態を維持したほうがさらに有利になるとにらんで、席を蹴ったのだと、筆者はみている。

 外交交渉では、トップ同士が話し合うまでに事務方が協議を詰め、トップ同士は最終確認という形式的なものになることが多い。しかし、米国の外交史でもトップ同士で決裂という例もなくはない。

 有名なものでは、1986年10月にアイスランドのレイキャビクで行われたレーガン米大統領とソ連のゴルバチョフ書記長の首脳会談がある。

 交渉はほぼ合意していたが、レーガン氏が蹴った。その後、再交渉し、最終的には中距離核戦力(INF)全廃条約として88年6月に発効した。レイキャビク会談は決裂したにもかかわらず、冷戦終結のターニングポイントとされている。安易な妥協をしなかったからだ。

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