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【高橋洋一 日本の解き方】中国の軍拡が導く旧ソ連の道… 日本は「1人当たりGDP」と「防衛費の相応の増額」で対応を (1/2ページ)

 中国の全国人民代表大会(全人代)では、2019年の国内総生産(GDP)成長率目標を6・0~6・5%とし、18年の6・5%前後から引き下げた。一方で国防費については前年比7・5%増となっている。

 これまでの本コラムで書いてきたように、中国のGDP統計は全く信用できない。輸入統計から推計する実際のGDP伸び率は0~3%程度だろう。

 中国は、共産党一党独裁で社会主義国の旧ソ連とほぼ同じ統計部署組織を導入している。本家の旧ソ連は70年近く経済統計をごまかしてきたが、1991年の崩壊によって、それまでの経済統計がデタラメだったことが判明した。社会主義国の統計が当てにならないのは、社会主義という性格上、失業率統計をまともに公表していないことがあると筆者はにらんでいる。

 GDPと失業率の間には「オークンの法則」という、どの国でも普遍的に観察できる社会法則がある。このため、GDPと失業率を独立に観察すると、相互牽制(けんせい)が働き、それぞれの統計値をチェックでき、統計の信頼度が増すこととなる。ところが、社会主義国では、正確な失業率統計があまりないので、経済統計を客観的に検証できなくなる。それを隠れみのにして不正を招くこともあり、結果として、ますます信頼できなくなってしまう。

 現在、国会では統計不正問題が議論されているが、日本の場合、小数点以下の細かい話であり、有効数字1桁の経済統計ではそれほど致命傷にならないレベルだが、中国のように数%も数字を動かすと、統計の用を全くなさなくなる。

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