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【高橋洋一 日本の解き方】震災からの復興は進んだか? 在宅被災者への支援不十分、ひどい政策だった復興増税… (2/2ページ)

 一方で、この政府方針に取り残された人々もいる。在宅被災者だ。

 震災での政府支援は、インフラ関係の復興事業と、避難所に来た被災者への仮設住宅支援の2本立てが基本となっている。避難所に来てもすぐ家に戻った人や、そもそも半壊の家にいて避難所に行かなかった人たちも被災者には変わりなく、在宅被災者と呼ばれている。

 避難所に来た被災者に対しては、仮設住宅からその後の支援まで支援策ができている。一方、在宅被災者はかつての災害基本対策法の盲点であった。ようやく安倍政権になってから、14年に災害基本対策法が改正され、一応在宅被災者への支援ができるようになった。しかし、支援は一時金だけで、十分とは言えない。

 今後予想される南海トラフ地震や首都直下型地震では、多くの被災者が予想されるが、その大半が在宅被災者になるだろう。

 在宅被災者に対する支援状況や実態把握の方法について、総務省が行政評価調査として調査に乗りだした。その対象となっているのは東日本大震災と、被災者の車中避難生活が問題化した16年の熊本地震だ。

 このように、震災の被災地で顕在化した問題を、「次の問題」にしないためにやるべきことは多い。こうした観点から、復興庁の後継組織も必要となってくるだろう。

 一方、数百年に一度の規模の大震災への対応は超長期国債によるのが筋のはずだが、実際に行われた復興増税はそれを無視したひどい政策だった。これも行政評価してみたらどうだろうか。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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