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【高橋洋一 日本の解き方】30~40代「貯金ゼロ」最多のウラ 財務省「消費税で不安解消」は不自然 (2/2ページ)

 これらの研究成果を使って、前出の調査をみれば、昨年との比較なので、高齢化の要因が強かったためとはいえない。インフレ率は変わっていないので、所得が伸び悩む中で消費が増えただけだろう。貯蓄額の減少がそれを示している。

 なお、政府の経済白書などでは、財政赤字が拡大し政府借入も増大すると年金給付(の将来性)に不安を持ち、家計は貯蓄を増やすと書かれている。だが、日本の貯蓄率は低下しているので、多くの人が違和感を持つのではないか。しかし、財務省はそれを強調し、消費増税で年金不安を解消するという。

 前出の調査も財務省を喜ばせるかもしれない。10月に消費増税をするから年金の将来を安心して貯蓄せずに消費したという解釈もできなくはないためだ。

 ただし、この調査では、老後必要な貯蓄額を調べているが、年代が高く、老後が切実になるほど増えている。ということは、遠い将来を人はさほど意識していないわけだ。

 人々の消費は、せいぜい数年先までの自分の給料水準しか考えていないという一般的な経済分析からも分かる。増税で将来不安を解消するという財務省の理屈はやはりおかしい。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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