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【zak女の雄叫び】《zak女の雄叫び お題は「贈る言葉」》好かれる、嫌われる演説 (2/2ページ)

 人の印象に残る演説というのは、人生訓や名言を披露することに限らない。2月の米アカデミー賞を取材して痛感したのは「人柄」も大切だということ。受賞者の中で最も観客を沸かせたのは、「女王陛下のお気に入り」で主演女優賞を受賞した英国人女優のオリビア・コールマン氏だった。

 「自分がオスカー(アカデミー賞)を取るなんて…爆笑!。多くの人に感謝を言わなくてはいけません。もし忘れた人がいたら、あとで見つけて特大キスをするので許して」。アカデミー賞で7回目の“落選”となったグレン・クローズ氏に敬意を示したり、会場にいたレディ・ガガ氏に興奮したり…。身ぶり手ぶりを交えた興奮ぶりや謙虚な姿勢がウケて、会場のセレブたちも目を細めていた。差別的発言による司会者降板や視聴率低下などアカデミー賞に漂っていた暗い雰囲気を、吹っ飛ばした演説でもあった。

 アカデミー賞では13年に「レ・ミゼラブル」で助演女優賞を獲得したアン・ハサウェイ氏が声を震わせて喜びと感謝を述べたが、「わざとらしい」「ぶりっこだ」と批判を浴びてしまった。彼女のファンである記者にとってはバッシングは厳しすぎる…と感じていたが、本人も後に「うれしいふりをした」と告白。スピーチの難しさや怖さを痛感した。

 米国では今年から2020年の大統領選に向けた候補者選びが本格化する。10人以上の民主党候補が立候補しているが、多くの米国人の心を動かしたオバマ前大統領のような圧倒的な「演説力」を持った人は現れていないように感じる。言葉の力こそ、トランプ再選の岐路になると思っている。

 米国の社会問題やニューヨークのこと何でも取材中。(M)

【zak女の雄叫び】取材や日常…。女性記者21人が月ごとのキーワードで本音を綴るリレーコラムです。3月のお題は「贈る言葉」です。