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【日本の元気 山根一眞】惑星探査の栄誉をたたえる“宇宙くす玉” はやぶさ2タッチダウン (1/2ページ)

 3月5日、小惑星探査機「はやぶさ2」が2月22日に小惑星「リュウグウ」にタッチダウンした時の1分8秒の映像が公開された。小惑星の表面に発射した弾丸によって舞い上がった小石や砂を見て、私は身震いした。

 タッチダウン成功を確認したプロジェクトマネージャ(プロマネ)の津田雄一さんは、初代「はやぶさ」のプロマネ、川口淳一郎さんに「はやぶさの借りは返しましたよ」と伝えた。そばでは、はやぶさ2の初代プロマネ、國中均さん(現・JAXA宇宙科学研究所所長)が眼鏡をはずし涙をぬぐっていた。

 2005年11月26日、初代はやぶさは小惑星イトカワへタッチダウン。「弾丸を発射しサンプル採取に成功」と発表。「月以外の天体の物質を採取した人類初の快挙」として世界中のメディアが報じたが、弾丸は発射されていなかったのだ。のちに、それはコンピューターのプログラムが原因とわかり、チームは大きな失望を味わった。「借りを返した」というのは、あの約13年前の「失敗を乗り越えた」という意味だった。

 当時私は「発射の様子をなぜカメラで撮影していなかったのか」と質問したが、「そのためのカメラは搭載なし」と知り、無念の思いだった。

 実は、はやぶさ2は当時の民主党政権の事業仕分けにより計画がつぶされかけた影響で、予算を得た時には新設計の探査機を製造する時間がなく、初代はやぶさをベースに製造せざるを得なかった。だがサンプル採取時の確認をとるカメラ(CAM-H)に関しては、一般の方々の寄付金1176万2700円によって搭載できた。その開発を担当したのが、3月5日の記者説明会に出席した澤田弘崇さんのチームだ。記者発表会では澤田さんへの質問はあまり多くなかったが、私は短期間に見事なカメラを開発し、今回の映像をもたらしてくれた彼への感謝の気持ちでいっぱいだった。

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