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「異常な女性遍歴」が原因か…実は「父親嫌い」だった金正恩氏 (2/2ページ)

 金正恩氏の最高指導者としての正統性は、祖父から父、そして自分へと流れる「白頭(ペクトゥ)の血統」に全面的に依拠している。それにもかかわらず先代の指導者を(婉曲にとはいえ)批判するとは、まさに前代未聞のことだ。

 金正恩氏が以前から父親を嫌っていたとすれば、その原因のひとつは、前述したとおり金正日氏の女性遍歴だ。金正恩氏の母である高ヨンヒ氏は、金正日氏から最も寵愛を受けた女性と言われているが、だからと言って、金正日氏の「女好き」がピタリと止まったわけではなかった。

 そんな父親の歪んだ本性を目にしつつ、金正恩氏は幼少の頃から反発を感じていたのかもしれない。

 (参考記事:機関銃でズタズタに…金正日氏に「口封じ」で殺された美人女優の悲劇

 もっとも、今回の書簡で示された方針は、それだけが理由ではなかろう。金正恩氏は、ハノイでの米朝首脳会談が物別れに終わったことで、全世界が注視する中で「赤っ恥」をかいた。しかし見ようによっては、世界最強の米国大統領を向こうに回し、果敢に挑んだ若き指導者の「奮戦記」の一場面と捉えることも出来る。

 早い話、金正恩氏はこれ以上、無謬の指導者であることに疲れてしまったのではないか。書簡はつまり、「最高指導者はつらいよ」という、嘆きでもあるのかもしれない。

 (参考記事:将軍様の特別な遊戯「喜び組」の実態を徹底解剖

デイリーNKジャパン

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