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【zak女の雄叫び】《zak女の雄叫び お題は「贈る言葉」》大槌町の大漁旗 (1/2ページ)

 先週、岩手県を縦断する三陸鉄道リアス線が開通した。東日本大震災の津波被災地で、8年ぶりの鉄路復活となる釜石-宮古間は、開通日、地元住民や報道陣らで特に盛り上がった。

 私はその中でも、町民の約1割にあたる1200人あまりが8年前に犠牲となった、岩手県大槌(おおつち)町で開通の瞬間を見ていた。

 大槌駅から1キロほど離れた沿線に、ぽつんと建つコミュニティハウスがあった。被災後、引っ越しなどを余儀なくされ、ばらばらになった住民らが集まる場所になっている。普段は、みんなで織物をしてマフラーを作ったりするそう。

 その日は、一番列車がコミュニティハウスの前を通るのに合わせて、大漁旗や手作りの横断幕を振ろうと、小さな建物の中で30人ほどが忙しく準備していた。

 お昼頃、列車が大槌駅に着いたのか、町内放送のスピーカーから「ひょっこりひょうたん島」のメロディーが町中に流れた。近所の防潮堤の工事作業者も一旦手を止めて、一緒に大漁旗を振ってくれるという。

 NHKで放送された人形劇「ひょっこりひょうたん島」は、大槌町沖に浮かぶ「蓬莱島」がモデルのひとつとされる。

 一瞬だけ通り過ぎる列車のために、集まったのは50人にもなった。コミュニティハウスの男性は、笑いながらこう話した。「8年かかったんだもんなあ。長かったよ。(列車が)来たら、泣いちゃうかも。泣くところは、恥ずかしいから撮らねいでね」