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【高橋洋一 日本の解き方】中国「量的緩和」できない理由… 社会主義でも一部は資本移動、固定相場維持の必要が生じる (1/2ページ)

 先日開催された中国の全国人民代表大会(全人代)では、金融政策で量的緩和を実施しないことが明らかになった。その背景はなにか。結論からいえば、中国の政治経済の基本構造が根本要因だ。

 基本知識として、先進国ではマクロ経済政策として財政政策と金融政策があるが、両者の関係を示すものとして、ノーベル経済学賞の受賞者であるロバート・マンデル教授によるマンデル・フレミング理論がある。

 経済学の教科書では「固定相場制では金融政策が無効で財政政策が有効」「変動相場制では金融政策が有効で財政政策無効」と単純化されているが、その真意は、変動相場制では金融政策を十分緩和していないと、財政政策の効果が阻害されるという意味だ。つまり、変動相場制では金融政策、固定相場制では財政政策を優先する方が、マクロ経済政策は効果的になる。

 これを発展させたものとして、国際金融のトリレンマ(三すくみ)がある。この結論をざっくりいうと、(1)自由な資本移動(2)固定相場制(3)独立した金融政策-の全てを実行することはできず、このうちせいぜい2つしか選べないというものだ。

 これらの理論から、先進国は2つのタイプに分かれる。1つは日本や米国のような変動相場制である。自由な資本移動は必須なので、固定相場制をとるか独立した金融政策をとるかの選択になるが、金融政策を選択し、固定相場制を放棄となる。

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