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【永田町・霞が関インサイド】習近平氏が欧州訪問で手にしたもの 対中警戒心が強いドイツやフランスは… (1/2ページ)

 中国の習近平国家主席の、イタリア、モナコ、フランスの欧州3カ国訪問報道に接し、「習外交」は高く評価されて然るべきなのかを考えさせられた。

 習氏は3月23日、イタリアの首都ローマの迎賓館で、ジュゼッペ・コンテ首相と会談した。イタリア政府は、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」協力に関する覚書に署名した。主要7カ国(G7)のメンバーが一帯一路に参加するのは初めてである。

 コンテ連立政権の、ルイジ・ディマイオ副首相(極左政党『五つ星運動』党首)が、習氏のイタリア訪問前に2回も北京を訪れて、中国側と入念な準備を行っていた。

 29項目で合意した覚書の中身がすごい。「中国マネー」200億ユーロ(約2兆5000億円)を投入するというのである。

 地中海と南東欧を結ぶ自由港として知られるトリエステ港の鉄道インフラや、貨物取扱量で有数なジェノバ港の整備に中国企業が参画するのだ。

 その狙いは、大型船舶が利用できるよう地中海の港を整備し、欧州への新たな進出拠点にする「海のシルクロード」づくりということである。

 想起されるのはスリランカやジブチなどが陥った「債務の罠」だ。

 ところが、習氏がフランスを訪れてから様相は一変した。

 習氏は26日、パリのエリゼ宮(大統領府)で、フランスのエマニュエル・マクロン大統領、ドイツのアンゲラ・メルケル首相、欧州連合(EU)のジャン=クロード・ユンケル欧州委員長と4者会談を行った。

 マクロン氏は「私たちは中国を尊重し、対話し、協力することを決意している」としたうえで、「EUの統一を尊重することを期待する」と述べ、一帯一路へのイタリアなどを取り込む動きにクギを刺したのだ。

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