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【富坂聰 真・人民日報】習政権「脱貧困」政策のもう一つの意味 消費者を増やし不動産価格を調整 (1/2ページ)

 中間層から上の人々に金をばらまいても、なかなか使わない。だが、それより下の人々にばらまけば効果は大きい--。

 景気対策で日本自身も経験した原則だ。

 これを前提として先週に引き続き老化(=従来型成長の限界)とメタボ(=巨額財政出動の後遺症)と戦う中国経済について考えてゆくことにしよう。

 目下、中国経済を安定させられるか否かは、国内に大きな第三次産業を育成できるか否かにかかっている。

 第三次産業の育成は、機械化が進む第二次産業に比べ大きな雇用を生み出すことが期待されるからだ。

 中国はここ数年、ITなど最先端分野で目覚ましい発展を遂げてきた。それを警戒したアメリカとの間で技術の覇権競争が起きたことは誰もが知るところだ。

 だが、インターネットの次世代を担う巨大企業が、どれほど世界の注目を集めたとしても、炭鉱や鉄鋼会社から吐き出されてくる労働者を吸収することはない。

 それはそれ、これはこれ、の世界だ。そしてこれこそ中国政府にとっての大きな悩みだ。

 オールドエコノミーの衰退のトレンドが今後も続くとなれば、リストラは今後も続く。その失業者をどこに埋め込むのか。

 習政権が導き出した答えこそ、サービス産業の拡大である。

 その呼び水としての「減税」であり、消費意欲の喚起である。個人の所得税は貧困者をターゲットにしているので、新たに消費者を造り出す効果も狙っている。

 先週、減税のもう一つの目的として民間・中小企業の支援があると書いたが、レストランも商店もたいていはこのカテゴリーに入る。政権の意図が非常によくわかる。

 だが、不動産価格が今のように高いままでは、いずれ消費は限界を迎える。政府はあきらかに不動産価格の調整を目指している。

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