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GW10連休で問う 日本人が「休日多すぎなのに休めていない」真の理由 (3/3ページ)

 生産性上げないと「自由な休日」は取れない

 休日が集中すると宿泊料金や運賃が値上がりし、観光地や繁華街も混雑するなど弊害が多くなる。右向け右で一斉に休むのではなく、多様な働き方を実践し、休みたい時に休める制度にし、働く時はしっかり働いた方が、経済にとっても、そして労働者にとってもメリットが大きいはずだ。

 日本人の年間平均労働時間はここ20年で大きく減少しており、2016年時点では約1700時間と米国とほぼ同じレベルになった(OECD調べ)。だがフランスは1472時間、ドイツは1363時間と労働時間がさらに短い。日本は休日数が多いので、平日には慢性的な残業体質になっていることが推測される。

 日本人の睡眠時間や家族と過ごす時間は先進諸外国より少ないという調査結果もあるので(同じくOECD調べ)、やはり平日は夜中に帰宅する人が多いと考えられる。

 仕事の量が増えてしまうのは、日本企業の生産性が低く、多くの労働量を投入しないと同じ稼ぎを得られないからである。日本人労働者の時間あたりの生産性は先進国中、最下位であり、過去数十年間ずっと変わっていない。マクロ経済的には生産性と賃金はほぼ比例し、生産性と労働時間は反比例するのが一般的なので、生産性を向上させないと賃金や労働時間の問題を解決することは難しい。

 生産性が低いままでは、一斉休日を増やすしかこれらの問題から解放される手段がなく、結果として、消費者は混雑や高い出費を強いられてしまう。

 加谷珪一(かや けいいち/経済評論家)

 仙台市生まれ。東北大学工学部原子核工学科卒業後、日経BP社に記者として入社。

 野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当。独立後は、中央省庁や政府系金融機関など対するコンサルティング業務に従事。現在は、経済、金融、ビジネス、ITなど多方面の分野で執筆活動を行っている。

 著書に「AI時代に生き残る企業、淘汰される企業」(宝島社)、「お金持ちはなぜ「教養」を必死に学ぶのか」(朝日新聞出版)、「お金持ちの教科書」(CCCメディアハウス)、「億万長者の情報整理術」(朝日新聞出版)などがある。

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