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【zak女の雄叫び】《zak女の雄叫び お題は「平成」》20年ぶりに復活したNYの書店 (1/2ページ)

 ニューヨークを舞台にした映画は数多いが、個人的に最も好きなものの1つが米国で1998(平成10)年に公開された「ユー・ガット・メール」。母親の代から続く子供向けの書店を経営するメグ・ライアンと、商売敵の大手書店のオーナー息子、トム・ハンクスが織りなすロマンチックコメディーだ。

 オンライン上で知り合った2人は互いの素性を知らずにチャットを通じて意気投合し、次第にひかれ合っていく。ダイヤルアップの大きな雑音や、本と花を目印に待ち合わせをするなど時代の経過を感じさせる場面が多く、映画を見返してみると懐かしさがこみ上げ、当時とは別の楽しみ方ができるのも面白い。

 映画のファンという理由もあって、ロケ地となったマンハッタンのアッパーウエスト地区に住んでいる。約20年がたっても、2人が遭遇するスーパー「ゼイバーズ」や、待ち合わせたカフェ「カフェ・ラロ」のほか、映画に登場したベーグルの名店「バーニー・グリーングラス」、ホットドッグ店「グレイズ・パパヤ」などは健在だ。ほとんどが映画公開前から続く老舗店なのだが、移り変わりの激しいニューヨークで変わらない町並みは心底ホッとするし何とも居心地が良い。

 さらにうれしいことに、昨年秋には、アッパーウエスト地区にかつてあった個人経営の書店が約20年ぶりに復活した。インターネット通販大手「アマゾン・コム」や電子書籍の流行で個人経営の書店を取り巻く環境は一層厳しくなったが、オーナーは「大型店やオンラインショッピングでは孤独しか味わえなくても、小さな書店は人々の憩いの場になる」と意気込む。