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【高橋洋一 日本の解き方】冷静に考える「下関北九州道路」 プロジェクトとして筋がいい、災害時の代替機能確保の面も (1/2ページ)

 4日付朝日新聞は社説で「塚田副大臣 不見識極まる忖度発言」として、「忖度による利益誘導」を厳しく批判した。

 発端となった塚田一郎・前国土交通副大臣の発言は、本州と九州を関門海峡で新たに結ぶ「下関北九州道路」をめぐるものだ。塚田氏の「忖度発言」について筆者が初めて聞いたときには、発言が4月1日になされたことから、エープリルフールでの冗談かと思ったくらいだ。

 というのは、このプロジェクトはかなり古くからあり、安倍晋三(本州・下関)と麻生太郎(九州・福岡)の両氏への「忖度」なら、もっと前に進んでいるはずだからだ。

 関門橋・関門トンネルの代替として、下関北九州道路の話が出ていたのは1980年ごろからだ。その後、幾度も俎上にのぼったが、2008年の福田康夫政権の時「海峡横断プロジェクトの調査については、個別のプロジェクトに関する調査は、今後行わない」とし、一時頓挫した。それが、安倍政権になってから、国土強靱(きょうじん)化の流れで復活してきたものだ。

 プロジェクト自体は、かなり筋がいいと筆者には思われる。

 公共事業を評価する場合、それによってもたらされる「便益(ベネフィット)」とそれに伴う「費用(コスト)」を比較して行われるが、道路の場合、ベネフィットとしては(1)混雑緩和・時間短縮(2)走行経費減少(3)交通事故減少-がある。

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