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【大前研一 大前研一のニュース時評】ボーイング機墜落事故…地に落ちた米連邦航空局の信頼 (1/2ページ)

 米国ボーイング社のデニス・ミューレンバーグ最高経営責任者(CEO)は4日、新型機「737MAX8」が昨年10月にインドネシア、今年3月にエチオピアで起こした墜落事故について、「機体の失速を防ぐための自動的に機首を下げる装置が、不正確な情報で起動した」と明らかにし、制御システムに誤作動が起きたことを認めた。

 事故当初から、私は1994年に名古屋空港で発生し、264人が死去した中華航空のエアバスA300の事故に非常に似ていると指摘した。いずれも、パイロットが浮上させようとしたら、自動制御システムが働いて逆に機首を下げてしまった。人間と機械がケンカを始めたわけだ。

 今回の場合、左右の位置センサーが機体の角度に関して誤ったシグナルを送って、機首を下げるプログラムが起動した。それに対し、パイロットは懸命に再浮上しようとしたが、ますます機械は反対に向かった。それが墜落につながった。

 自動化はパイロットを助けるためのものだが、人間とコンピューターの判断が違うと、こういうことも起こってくる。

 原子力開発に関わっていたこともあって、私は航空機の事故とその原因をほとんど覚えている。原子炉の事故も100例以上あるが、それも全部頭に入れていないといけない。それでも東京電力福島第一原子力発電所は津波の前に起きた地震で外部電源が喪失していたために発動すべき非常用電源が水没して炉心溶融が起きた。どんな事故も、多くは人間と機械のケンカだ。

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