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【zak女の雄叫び】《zak女の雄叫び お題は「平成」》札幌を去ります

 新元号「令和」が発表になった4月1日、JR石勝線夕張支線が127年の歴史に幕を閉じる取材のために訪れた北海道夕張市の市役所にいた。

 役所内のギャラリーで開かれていた「元号」書道展で、新元号を揮毫(きごう)する小、中学生の取材するためだ。

 テレビの前で、子どもたちと菅義偉(すが・よしひで)官房長官が発表するのを待った。そして、「令和」という文字に子どもたちは「うーん」「ええ」といった反応。

 習字を習っているだけに「『令』はバランスがとるのが難しい」という声から、「和」から「平和」を連想するため「平和な明るい時代であってほしいな」と春から中学生になる少女。初めて墨で漢字を書いた新小学1年生の男児の漢字も味がある。彼らの文字を見ながら感じたのは、1989年1月7日の「平成」発表のときと違って、どことなくのどかだったことだ。「死」を前提としてはいないからだろう。

 「平成」発表のその日、街からイルミネーションの明かりが消え、しんと息を潜めていたように感じたのを記憶している。当時、記者1年目で、大阪のまちの表情を追い、天王寺動物園から若者が集まるミナミの三角公園、そしていわゆる“色街”をルポのために走り回っていた。

 平成の時代、阪神大震災、東日本大震災、そして北海道の胆振東部地震と大停電…。大きな災害にも立ち合ってきた。つらいこともあったが、記者であったからこその出会いも多くあった。感謝しかない。

 職業柄、刻々と変わる事象を追いかけるため、思いをはせる時間を持てないことが多い。

 平成最後の日となる4月30日、私は約3年半の札幌赴任を終えることになる。北の大地が大好きになり、残留したかったが辞令には従わなければならず、東京に戻ります。

 札幌で引っ越し荷物を片付け、「令和」を迎えたとき、去来するものは何だろう。やり残したことはたくさんある。新しい御代は、東京と場所は変わるが、前向きに生きていきたい。(杉)

【zak女の雄叫び】取材や日常…。女性記者21人が月ごとのキーワードで本音を綴るリレーコラムです。4月のお題は「平成」です。