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【高橋洋一 日本の解き方】トランプ氏の対EU報復関税宣言…ボーイングとエアバスが背景に 次の攻撃対象は中国の補助金だ (2/2ページ)

 もともと米国は、自由貿易を揺るがすとして、国の介入を拒否するという大原則がある。かつて日米貿易摩擦の際にも、日本のいわゆる「産業政策」がやり玉に挙げられたことがある。日本の場合、貿易に関わる補助金がほとんどないので、官民一体の「産業政策」が公正な貿易を妨げているというのが米国の言い分だった。

 中国の場合、社会主義体制なので、産業補助金やハイテク振興政策の動向が国家体制そのものを揺るがしかねないので、中国側が猛烈に反発したのだ。

 その際、中国は、米国やEUにも産業補助金があるではないかと反論したと考えられる。実際、EUには農業補助金など各種の産業補助金が存在している。これはしばしば自由貿易を阻害するものとして俎上にのぼる。

 米国にはボーイング社への補助金があり、ここをEUと中国から指摘されているのだろう。そこで米国としても、まずEUと補助金問題を決着させる必要があり、報復関税の用意があるとした。EUからは、米国のボーイング社への補助金への報復関税という対抗策を打ち出すとみられる。

 これ以降は米国とEU間の交渉になる。何らかの航空機への補助金ルールの策定で、報復関税を取り下げるという展開が考えられる。

 そしてその次には、中国の補助金が攻撃対象になるだろう。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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