記事詳細

【富坂聰 真・人民日報】習主席&李首相「矢継ぎ早訪欧」のウラ 中国への警戒心に配慮 (1/2ページ)

 この原稿を書いている時点では、中国の李克強首相は、まだヨーロッパにいる。

 4月8日から12日まで、第21回中国・EU首脳会議に出席するため、ブリュッセルを訪れ、その後クロアチアを訪れ、16カ国の首脳と会談する日程だ。

 中国とヨーロッパの間の人の往来は頻繁だ。だが、この李首相の訪欧には、特別な意味が込められている。中国が今年、とりわけEUとの関係強化に意欲を示していることを象徴する訪問だからだ。

 出発に先立ちブリーフィングを行った外交部の王超副部長は、「今年最初の外国訪問には、習近平主席も李克強首相もヨーロッパを選んだ」と胸を張った。

 李首相に先立つ3月末には、習近平国家主席がフランス、イタリアなどを訪れたばかりだ。この時期、中国から国家主席と首相が矢継ぎ早に訪問する意味は何か。

 一つは、欧州との関係を強められる中国側のメリットであり、もう一つは欧州に深まりつつある中国に対する警戒心の高まりへの配慮だ。

 イタリアは最近、G7で初めて中国の提唱する「一帯一路」構想に正式に協力を表明したことで話題となったが、この選択の裏側には、イタリアのEUに対する反発があったとされる。

 イタリアの決断は中国の「一帯一路」構想には追い風となったが、ここに欧州分断の意図があったと疑われれば、中欧関係には長期的なマイナスとなって働きかねない。

 そのため習主席も、李首相も、行く先々で「ヨーロッパ一体化のプロセスを応援」し、「EUの団結を支持する」と繰り返してきたのである。

関連ニュース