記事詳細

【高橋洋一 日本の解き方】対米貿易交渉、日本の「勝ち方」は? 時間をかけることが定石、TPP拡大で牽制する手も (1/2ページ)

 日米両政府は閣僚による新たな貿易交渉の初協議を終えたが、今後の協議の争点となりそうなところや、落としどころは見えてきただろうか。

 日米は環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉を通じて各種のやりとりをしてきた。これは二国間ではないが、日米ともに相手の要求がどこにあるのかを分かっているはずだ。

 率直に言って、TPPで日本はオーストリアなどを巻き込みうまい交渉をした。特に医薬品などで有利な条件を得た。そこが米国には不満だったのだろう。TPPは金融や通信などのサービスに加え、投資ルールなどを含めた包括的な自由貿易交渉だった。日本は他国とともにしのいだが、米国は脱退してしまった。

 そして日米の二国間交渉となったが、どこまで交渉範囲とするかがまず問題である。

 日本としては、「物品」とするのがベストである。TPPのようなサービスや投資までを範囲とするのは当面得策でない。

 もちろん米国は抵抗するが、当面は物品の関税からスタートせざるを得ないだろう。スタートしなくても日本に不利はないが、米国は実利がなく、日本有利になってしまうからだ。

 以前、日本は物品関税で日米が交渉するとした政府発表について、米国側の発表と違うと批判し、「虚偽発言」とした一部のマスコミもあった。だが、交渉中なのだから当然だ。

 物品関税交渉の基本は、TPPで合意した水準だ。農産物について米国はさらに深掘りを求めてくるだろうが、日本としても自動車関税の引き下げや撤廃を米国に要求できる。

 物品関税の交渉であれば、TPPから大きくはみ出ることはないだろう。

関連ニュース