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『宮古島から弾薬撤去』の異常事態 「南西諸島に部隊配備=抑止力確保」の理解を 防衛問題研究家・桜林美佐氏 (1/2ページ)

 陸上自衛隊宮古島駐屯地(沖縄県宮古島市)から、中距離多目的誘導ミサイルと迫撃砲の全弾薬が撤去される異常事態が続いている。地元への説明不足が原因といい、岩屋毅防衛相は謝罪した。だが、沖縄を中心とする南西諸島は、中国の太平洋への出口にあたる戦略的要衝である。同県・尖閣諸島周辺海域には連日のように中国艦船が侵入している。防衛問題研究家の桜林美佐氏が緊急寄稿した。

 防衛省はこれまで、宮古島駐屯地の「保管庫」で所有するのは「小銃弾等」としていた。陸自にとってメインの装備は常に「小銃」であり、数も最も多い。彼らはそれを「自分たちの魂」という。チェック機能の甘さは残念だが、私は「認識の齟齬(そご)」だと思う。

 南西諸島は、鹿児島県・大隅諸島から沖縄県・与那国島まで全長約1200キロ。日本の本州とほぼ同程度の広大な海空域を有するが、陸上の部隊は沖縄本島などに限られ「空白地帯」になっていた。

 このため、2016年に与那国島に沿岸監視隊が配備され、鹿児島県・奄美大島に対空、対艦ミサイル部隊と警備隊、宮古島にはまず警備隊が入り、20年以降に対空・対艦ミサイル部隊が配備される。沖縄県・石垣島への配備計画も進行中で、順調に完了することが望まれる。

 今回の問題は、宮古警備隊が持つ中距離多目的誘導ミサイルと迫撃砲の弾薬を、約14キロも離れた同地に創設予定の対艦ミサイル部隊の弾薬庫に移すことになったことだ。運用に支障をきたすことは否めない。

 最も大事なのは「南西諸島に部隊が配備される意義=抑止力の確保」を理解してもらうことだ。

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