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【日本の選択】ウクライナ情勢に見る「民主主義の危機」 日本には「政権交代可能な野党」の存在必要 (1/2ページ)

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 ウクライナで21日に行われた大統領選・決選投票の結果、次期大統領に人気喜劇俳優のウォロディミル・ゼレンスキー氏が就任することが確実となった。現職のペトロ・ポロシェンコ大統領の得票率が24%程度にとどまったのに対し、ゼレンスキー氏の得票率が70%を超えたのだから、文字通りの地滑り的大勝利といってよい。

 ゼレンスキー氏は政治経験が皆無である。彼の名を高らしめたのが、人気ドラマ「国民の僕」である。学校教師役のゼレンスキー氏がSNSを活用することによって、大統領に就任し、活躍するという内容で、国民はこのドラマに熱狂した。

 ドラマで大統領を演じた人物が、現実の大統領となってしまったのだ。ウソのようだが、本当の話である。その清新なイメージから、「政治家の汚職といった政治的腐敗を一掃してくれそうだ」という期待を国民が抱いたのが勝因だという。

 ところで、ウクライナといえば、誰もが思い出すのが2014年のクリミア危機であろう。ウラジーミル・プーチン大統領率いるロシアが軍事力を背景に、クリミア半島を併合してしまったことは記憶に新しい。まるで帝国主義の再来を思わせる強引さであった。いまだにウクライナ東部ではロシアとの緊張関係が続いている。

 こうした危機の際、政治的経験が皆無の喜劇俳優を政治的指導者とすることを、どのように考えるべきなのか。

 私はこれを「民主主義の危機である」と捉える。残念ながら、清廉潔白であることは、政治的能力とは無関係である。清廉潔白でありながら無能な政治家も存在するし、腐敗しながらも有能な政治家が存在するのが現実だ。

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