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【高橋洋一 日本の解き方】社会保険負担嫌い「消費増税」賛成… 問われる経済団体の存在意義 (1/2ページ)

 自民党の萩生田光一幹事長代行が、「消費増税延期があり得る」と発言した際に、日本商工会議所の三村明夫会頭は「信じられない」などと強く批判した。一方、経団連の中西宏明会長は、「企業が今後、終身雇用を続けていくのは難しい」という趣旨の発言をしたことも話題になっている。「財界」と呼ばれるこうした経済団体の行動原理はどうなっているのか。

 財界人が、消費増税に賛成するのは単純な話だ。財務省と財界は、消費増税を社会保障財源とすることで共同歩調である。社会保障財源は本来、社会保険料である。社会保障は基本的に保険原理に基づく相互扶助の考え方で運営されているからだ。ちなみに、この運営方式はほとんどの国で採用されている。

 保険原理とは、単純化していえば、偶発的な理由で保険対象になる場合、そうならない人の保険料で支えるというものだ。例えば、社会保障の大宗を占める年金は、平均以上に長生きした人に対し、早死にした人が払った保険料を年金として与えるという仕組みだ。医療では、病気の人に対し、健康な人が払う保険料を与えるものだ。

 なぜ保険原理かというと、社会保障を「裕福な人からの施しもの」と考えると、どれだけ徴収してどれだけ与えるか、明確な基準がなくなるからだ。保険原理とすれば、誰がその対象になるのかはわからないが、社会全体としての負担と給付の関係は明確になり、社会的に維持しやすい仕組みになる。

 社会保障の財源である社会保険料の負担についても、世界のかなりの国において「労使折半」という原則がある。つまり、社会保険料では、労働者だけではなく、経営者側にも負担が生じるのだ。このため、経営者側は社会保険料負担増を嫌い、社会保障財源を消費税に求める考えに賛同するのだ。

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