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金正恩氏、露との交流行事蹴って帰国…その胸中は? (1/2ページ)

 【ウラジオストク=小野田雄一、ソウル=桜井紀雄】ロシア極東ウラジオストクを訪れた北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は、プーチン露大統領との夕食会で「抗日闘争」まで持ち出し、露朝の結束を誇示した。だが、翌日には地元が準備したイベントの大半を蹴って早々に帰国する冷淡さを見せた。まるで目的は関係強化でなく、大国ロシアに支持される指導者像を内外に印象付けることだったかのようだ。

 「両国人民は抗日大戦の共同闘争の中、戦友の情で結ばれ、赤軍将兵らは朝鮮解放のため、自らの血を惜しみなくささげた」

 北朝鮮国営メディアは26日、金氏が25日のプーチン氏らとの夕食会で、第二次大戦での旧ソ連軍の貢献をこうたたえたと報じた。

 両首脳は伝統の刀剣を贈り合った。金氏は「(刀剣は)絶対的な力を象徴する。あなたを支持する私とわが人民の心を込めた」とプーチン氏に説明。対米非核化交渉が停滞し、国際社会による制裁が続く中、“後ろ盾”としてのロシアへの期待を強くにじませた。

 プーチン氏からは「ロシアは朝鮮半島の緊張を解消し、地域の安全を強化するため、協力していく用意がある」との言質を得た。

 一転して翌朝、予定されていた行事が「北朝鮮側の都合でキャンセルされた」と露当局から報道陣に知らされた。金氏による献花が予定されていた戦没者慰霊碑の周辺では、交通が規制され、儀仗(ぎじょう)兵も整列していた。結局、献花は約2時間遅れで行われた。報道陣が事前に殺到したため、警護上の理由から一時見合わせたとの見方もある。

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