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【勝負師たちの系譜】羽生世代、渡辺二冠が壁として君臨 平成の将棋界 (1/2ページ)

★平成の将棋界(2)

 羽生善治九段の七冠独占に一番危機感を抱いたのは、同年代の棋士だったと思う。

 羽生の世代には、羽生に劣らない才能の持ち主が多くいたが、永久に羽生に勝てなければ、自分たちは棋士になった意味がないと思えるからだ。

 彼らが羽生に、追いつけ追い越せの目標で精進した結果、佐藤康光九段と森内俊之九段は竜王や名人に、丸山忠久九段は名人、藤井猛九段は竜王、そして郷田真隆九段は王位、王将、棋聖など皆がタイトルを取る、恐ろしい軍団が出来上がったのだった。

 目標が高過ぎただけに、羽生を追いかけているだけで他の棋士より、はるか高みに登ってしまったのだ。

 これを私はS級軍団と称したことがある。順位戦では、A級から絶対落ちないのがS級であり、タイトル戦の予選では、一人負かしても次にまた羽生世代が出てくるということで、他の棋士はほとんど挑戦者にもなれない時代が続いた。

 実際、このS級軍団の6人で、順位戦のA級(以上)在籍は100期を優に超え、名人は羽生か森内のどちらかという時代が、平成14年(2002年)から14年間続いたのだった。

 ただ一人、渡辺明二冠だけはその中に突入しても劣らず、平成16年(04年)から竜王位を連続9年、通算11期保持して、他の棋士の挑戦を撥ね付け続けた。

 結局、平成という時代を大雑把に言えば、初期の群雄割拠時代を除き、羽生世代のS級軍団と渡辺から誰がタイトルを奪うか、誰がこの壁を乗り越えられるかがテーマの時代であったと、言えるだろう。

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