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【昭和のことば】ストリッパーまねながら身体くねらせる加トちゃん… 「ちょっとだけよ」(昭和44年)

 「ちょっとだけよ、あんたも好きねえ」。薄紫の照明にBGMはラテン音楽の「タブー」。ストリッパーのまねをしながら身体をくねらせる加トちゃん(加藤茶)。生放送の会場からは、やんややんやの大歓声。昭和44(1969)年は人気番組「8時だョ!全員集合」が始まった年である。

 お茶の間のテレビの前の子供たちの食事の手が止まり、親たちは苦笑い。いや、いまの時代の「コンプライアンス」からするとすごいことである(まあ、当時もそれなりにクレームはあったらしいが)。もちろん、学校でも大流行。引用元の事情(ストリップ)もわからず、ことばがひとり歩きした例だった。

 この年の主な事件は、「安田講堂事件」「東京駅八重洲地下街オープン」「連続ピストル射殺魔・永山則夫逮捕」「国鉄にグリーン車が設置」「東名高速道路全線開通」「原子力船むつ、東京で進水式」「米宇宙船アポロ11号人類初の月面着陸」「厚生省、発がん性が問題化した人工甘味料チクロの使用禁止を決定」「佐藤・ニクソン会談終了。沖縄返還、安保堅持の共同声明発表」など。

 この年の映画は、『男はつらいよ』。本は、庄司薫『赤頭巾ちゃん気をつけて』、海音寺潮五郎『天と地と』。金田正一投手が400勝達成。巷では、全共闘運動が収束、「シラケ」ムードが広がっていた。

 時代は「あっと驚くタメゴロー」(ハナ肇)、大橋巨泉の「はっぱふみふみ」、『もーれつア太郎』(赤塚不二夫)のニャロメなど、ナンセンスギャグも大いにはやった。人が「何だろう」と思ってくれれば、細かい意味にはこだわらない「元気のいい」ことば。まさに、高度経済成長、花盛りである。 =敬称略

(中丸謙一朗)

 〈昭和44(1969)年の流行歌〉 「フランシーヌの場合」(新谷のり子)「黒ネコのタンゴ」(皆川おさむ)「いいじゃないの幸せならば」(佐良直美)

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