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【富坂聰 真・人民日報】習近平氏の「重慶視察」から見える“ポスト習” 現時点で陳敏爾氏にアドバンテージか (2/2ページ)

 そしてもう一つ、貧困重視に続くもう一つのメッセージとして北京の話題をさらったのが後継者の問題だった。

 「まず、思い出してほしいのは、重慶の書記が陳敏爾だということです」

 と前出のメディア関係者が解説する。

 「主席肝いりの『一帯一路』において重慶の位置付けはますます重要になっています。鉄道路線や上海との水路、価値の高まる中央アジアとの窓口でもある重慶ですから、実績が上がらないはずなどない。その重慶を訪れ、成果を褒め、さらには党中央が重視する『脱貧困』の発信地にも位置付けられたのですから、役割の大きさは重大です。そして何より、今回の注目は、重慶視察に胡春華を帯同したことです」

 胡春華国務院副首相(兼政治局委員)と陳敏爾重慶市書記(兼政治局委員)といえば、19大(中国共産党第19回全国代表大会)において習の後継者候補としてライバル視された2人である。

 だが、前述した『人民日報』の記事の写真では、常に陳が胡の前に映り込んでいるのだ。この意味は深長である。

 「一瞬先は闇」を地でいく中国政治において確定的なことは言うべきではないが、現時点で陳にアドバンテージが与えられたことは間違いなさそうだ。

 ■富坂聰(とみさか・さとし) 拓殖大学海外事情研究所教授。1964年生まれ。北京大学中文系に留学したのち、週刊誌記者などを経てジャーナリストとして活動。中国の政・官・財界に豊富な人脈を持つ。『中国人民解放軍の内幕』(文春新書)など著書多数。近著に『中国は腹の底で日本をどう思っているのか』(PHP新書)。

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