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【語り継ぎたい天皇の和歌】受け継がれてきた「祈る心」 (1/2ページ)

 いよいよ「令和」が始まりました。今回は新天皇となられた今上天皇が皇太子殿下時代にお詠みになられた和歌を御紹介申し上げます。

 掲出歌は平成8(1996)年の歌会始で発表された和歌です。「子ら」と「苗木」をあえて並列させ、リズミカルな旋律(しらべ)も楽しい一首です。新天皇がこれまで詠まれた作品を拝見すると、「祈る」という言葉が幾首も出てきます。平成16年の歌会始で発表された歌では満2歳になられた愛子さまのことを、「すこやかに育つ幼なを抱きつつ幸おほかれとわが祈るなり」と詠まれていらっしゃいます。平成30年の歌会始では、「復興の住宅に移りし人々の語るを聞きつつ幸を祈れり」という一首を公表されました。平成9年の歌会始の際には、「人みなは姿ちがへどひたごころ戦なき世をこひねがふなり」という作品も発表されておられます。

 あるときは子供たちや苗木の健やかな成長をお祈りくださり、またあるときには戦争のない世の到来を希求され、ひたすら平和を祈願なさる大御心(おおみごころ)。明治天皇に「ちはやぶる神ぞ知るらむ民のため世をやすかれと祈る心は」、昭和天皇に「海の外(と)の陸(くが)に小島にのこる民の上やすかれとただいのるなり」という御製(天皇の和歌)がありますが、こうした御歴代の作品をじゅうぶんに御承知の上で、新天皇は「祈る心」をお詠みになられていらっしゃいます。

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