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北がまた飛翔体、正恩氏の連続挑発の背景に日米韓の及び腰

 北朝鮮は9日、前回の飛翔(ひしょう)体発射からわずか5日後にミサイルとみられる飛翔体の発射を断行した。対米非核化交渉が暗礁に乗り上げる中、国際社会の関心を常に引き付けて、米国を自国に優位な交渉に引き出そうとする狙いがうかがえる。

 「国際社会だけでなく、米国も日本も、中長距離ミサイルや大陸間弾道ミサイル(ICBM)ではないので、約束違反にはならないとの立場を明らかにした」

 朝鮮中央通信は、北朝鮮の南北将官級軍事会談代表団の報道官が8日、前回の4日の発射について、こう述べたと伝えた。「計画に沿った訓練」にすぎないと強調しており、米韓両空軍が演習を行ったことを逆に非難している。

 北朝鮮が今回、飛距離を延ばしての再発射に踏み切った背景には、北朝鮮との対話継続を優先した日米韓の慎重姿勢がある。

 韓国大統領府報道官は9日、「南北関係の改善や朝鮮半島での軍事的緊張緩和の努力に全く助けとならない」と憂慮を表明したが、以前のような糾弾調は鳴りを潜めたままだ。

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は9日、KBSテレビで、北朝鮮に自制を求める一方、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が昨年4月の南北首脳会談で「核がなくとも安全なら、われわれが苦労して核を持つ必要があるのか」と語ったなどとして、金氏の非核化意志を改めて擁護。北朝鮮への食糧支援の必要性を主張した。

 米韓が断固とした行動を示さない限り、北朝鮮が軍事的挑発の度合いを徐々に高めていく可能性がある。(産経新聞)