記事詳細

【大前研一 大前研一のニュース時評】マレーシアに遅れること30年…ようやく動いた日本の「オンライン診療」 (1/2ページ)

 厚生労働省は先月24日、「オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」を開催し、オンライン診療の指針改定案などを提示した。オンライン診療は、スマートフォンなどを使って離れた所にいる患者を診るもの。

 今回の改定案には、担当医師と患者が同席している状態なら遠隔地にいる別の専門医によるロボット操作の手術を認めることなどが盛り込まれている。また、オンライン診療を実施する医師には研修受講を義務づけることが追加され、女性が服用する緊急避妊薬についても、オンライン診療で処方可能とするための条件案も明らかにした。

 日本では長い間、患者の手術をするときには、医師と患者が同じ部屋にいなければならないという医師法の縛りがあった。だが、これにより、専門医の手術や診察を受けやすくし、医療の効率化や利便性を高める。5月中に見直し案をまとめる方針という。

 昨年、マレーシアの首相に返り咲いたマハティール氏が最初に政権を担当していた1980年代から90年代にかけて、私は同氏の経済アドバイザーをしていた。そのとき、「天然資源や観光業に依存しているマレーシアが今後生き抜くためにはIT先進国政策しかない」と提言した。

 これを阻む法律があるとわかると、すぐに担当大臣を呼んで法律をサイバー社会に適したものに変えていった。医師法もそのひとつだった。「患者と医者が同じ部屋にいなくてもいい」という法律をつくり、光ファイバーを利用して、名医が遠隔操作のメスで手術できるようにした。

関連ニュース