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【高橋洋一 日本の解き方】トランプ氏の対中覇権戦略、貿易戦争の解決は長期化へ 日本は相対的に国益を維持 (1/2ページ)

 米中貿易戦争をめぐり、トランプ米大統領がツイッターで、対中関税の引き上げを表明した。米ブルームバーグ通信によると、ライトハイザー米通商代表が北京で協議した際、中国側が外国企業への技術移転強要を是正する法整備の約束を撤回したという。

 本コラムで繰り返し述べてきたことだが、米中貿易戦争は貿易赤字減らしという単なる経済問題ではない。背景には米国の軍事覇権を保つために技術優位を維持するという戦略があり、米国の技術を盗み取るような中国の行為を許さないという米国側の強い意志に基づいている。

 「中国の行為」というのは、(1)知的財産の収奪(2)強制的技術移転(3)貿易歪曲的な産業補助金(4)国有企業によって創り出される歪曲化及び過剰生産を含む不公正な貿易慣行-を指す。

 なぜ明確に分かるかというと、中国とは名指しされていないが、昨年9月の日米共同声明にも盛り込まれているのだ。これらの文言は、米国の交渉担当者が対中戦略として語ってきたもので、公式の外交文書にまで登場しているというわけだ。

 このうち、(2)強制的技術移転は、米国の対中戦略の大きな柱であるので、これを中国がほごにしたら、トランプ氏が許すはずもない。

 このタイミングでトランプ氏がツイートしたのは、米中の閣僚級会談への牽制(けんせい)という側面があった。中国の劉鶴副首相率いる交渉団は訪米し、10日まで協議を行った。

 その交渉で、(2)強制的技術移転の法整備を再び中国が約束するという事態になれば、25%の追加関税は撤回されるかもしれない。それでも、米中貿易戦争の抜本的な解決にはかなりの時間を要するだろう。

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