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共産、“ソフト路線”に拍車 参院選に焦りか

 共産党の「ソフト路線」に拍車がかかっている。平成の御代替わりのときとは一転、9日の衆院本会議で、天皇陛下のご即位に祝意を示す「賀詞」に賛成したことがそれを端的に示す。正反対の動きからは、夏の参院選に向けた野党共闘が足踏みしていることへの焦りが垣間見える。

 「互いに譲るべきは譲り、一方的な対応を求めることはしない」

 共産党の志位和夫委員長は12日、東京・代々木の党本部で開かれた第6回中央委員会総会(6中総)で、夏の参院選改選1人区での野党候補一本化についてこう述べた。終了後の記者会見でも野党候補一本化に柔軟に対応する考えを示し、「必ずできると思う」と語気を強めた。

 擁立作業は3年前の同時期に比べて大幅に遅れている。背景には主要政策で共産党と隔たりがある他党の慎重姿勢がある。

 共産党は、野党候補一本化の際に候補者を降ろす条件として「相互推薦・支援」を主張していた。立憲民主党幹部は「『相互推薦・支援』は飲めない」と強調。国民民主党幹部も「『相互推薦・支援』を認めると、共産党への忌避感が強い連合から猛反発をくらう」と語る。12日の志位氏からは「相互推薦・支援」の言及がなかった。

 また、立憲民主党幹部は共産党に対し、連携を進める条件の一つとして反皇室色を薄めることが重要だと助言したという。そのためか共産党は、今年2月の譲位前の上皇さまの「天皇陛下在位30年記念式典」に欠席したのに、天皇陛下のご即位に祝意を示す賀詞には賛成した。

 ただ、共産党の「ソフト路線」が参院選までに結実する保証はない。共産党支持層には最近の“皇室容認”の動きに内心、不満を持つ者も少なくないのだ。党が実利を得られなければ、不満が噴出する可能性も否定できない。(産経新聞)