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【永田町・霞が関インサイド】外務省の“スーパー通訳”高尾直氏って? 日米首脳会談で注目、菅長官の訪米にも同行 (1/2ページ)

 菅義偉官房長官は12日夕、2泊4日の訪米を終えて帰国した。マイク・ペンス副大統領、マイク・ポンペオ国務長官、パトリック・シャナハン国防長官代行の三役そろい踏みと会談するなど、「外交デビュー」は大成功だった。

 筆者が今回の菅氏訪米で関心を抱いたのは、菅氏に同行した外務省の英語通訳、高尾直国際法局条約課首席事務官(2003年入省)である。

 高尾氏は語学の専門職ではない。東大法学部卒業のキャリア官僚。エピソードにも事欠かない。帰国子女の同氏は中学3年生の時に帰国して、わずか2カ月の受験勉強で名門の開成高校に入学。入省後、ハーバード大学大学院ケネディ・スクールで修士号を取得するなど、申し分ないキャリアの上に、ピアノはプロ並み。

 その高尾氏の名前が霞が関に鳴りとどろいたのは、安倍晋三首相と、ドナルド・トランプ大統領のトップ会談の通訳を務めたことだ。安倍首相はこれまで6日夜の電話会談を含めて30回、トランプ氏と会談を重ねている。そのすべてが高尾氏だ。

 彼の通訳が、いかに際立っているかを示す具体例を紹介する。

 4月26日、安倍・トランプ会談は米ホワイトハウスの大統領執務室で行われた。恒例の頭撮りは記者団に公開される。トランプ氏は冒頭、5月25日からの日本公式訪問を念頭に次のように語った。

 「(天皇陛下のご即位後に)初めて招待されたときは『タイミング的に私は難しい』と申し上げました。『この行事って、日本人にとってどれほど大事なんですか?』と安倍首相に聞いたら、『米国人にとってのスーパーボウルより100倍も大事だ』ということを伝えてくださいました。そして、私は間違いなく行きますよと断念しました」

 これは米側通訳の日本語訳だ。言葉遣いが乱暴というよりも、誤訳まである。「断言」と言うべきところを「断念」と訳したのだ。

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