「女性にAED」はセクハラ? 高校生ら対象の調査で男女格差、パッド装着時に抵抗感か (2/2ページ)
■ツイッターには「犯罪」
共同研究者の1人で、大妻女子大学家政学部食物学科公衆衛生学研究室の清原康介専任講師は「推測になるが、高校生ぐらいになると、胸をはだけないといけないこともあり、女性に貼るには、抵抗感があるのかもしれない」とみる。
ツイッターでは《女性へのAED使用は本人の同意がない限り犯罪!》といった趣旨の投稿まであり、物議を醸している。
「可能な限り、男女関係なくできるようにするのが理想だが、現実問題、躊躇する人が出てくる社会的背景も理解はできる。ただ、実際いままでに女性に蘇生行為として、服を脱がせた、胸を圧したとかで訴訟になったケースはなく、躊躇しなくてもよい」と前出の清原氏。
■医療目的であれば正当
AEDの普及を推進する日本AED財団は「胸部に水や金属があるといけないので、一般的な指導として、『服を脱がせなさい』という言い方になる。完全に服を取り除く必要もなく、AEDパッドを貼ったうえで、バスタオルをかけるなどしても問題はない」とする。
また、同財団は「現状の法律の解釈でも救命に関しては、民事では訴えられる可能性は残るが、社会通念として罪に問われないという解釈をしている」と話す。
弁護士の高橋裕樹氏も「通常は犯罪にはならない」と語る。
「胸を触る行為などに関しても医療目的などであれば、医師以外の人でも正当業務行為として認められる。仮に疑われた場合には、救命行為の態様と必要性が問題にされるが、事実関係が明確になれば検挙されるリスクはないと考える」と解説する。
命を救う行動にためらいは不要だ。