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【高橋洋一 日本の解き方】最終局面を迎えた終身雇用 デフレの日本で維持困難に、労使ミスマッチ解消が重要 (1/2ページ)

 経済団体や大手メーカーのトップから、「終身雇用の維持は難しい」といった趣旨の発言が相次いでいる。こうした発言が出てきた背景は何か。労働者はどのように対処したらいいのか。

 終身雇用は、年功序列、企業別労働組合とともに戦後の日本の高度成長時代を特徴付ける雇用慣行であるといわれている。

 戦後の激しい労働争議への対応であったが、同時に成長に応じた雇用の確保が困難であったため、企業は長期雇用を取り入れ、終身雇用は大企業で一般的になった。雇用主の善意によるものでなく、あくまで戦後の高度経済成長の結果として起こったことである。戦前には、必ずしも終身雇用は一般的ではなかった。

 高度成長時代でも、終身雇用は大企業で行われていたものの、中小企業では全てが終身雇用というわけでもなかった。

 企業からみれば、終身雇用は長期雇用であるので、コストアップ要因だ。長期雇用に加えて日本では、欧米に比べて解雇が簡単に行えないので、不況期には大きなコストになっていた。

 高度成長時代が終わり、バブル経済の後、雇用形態は徐々に変化してきた。1990年代後半からの労働者派遣の増加などは、大企業での雇用の多様化であり、結果として終身雇用割合の低下でもあった。その動きが、とうとう最終局面まで来た感じだ。

 バブル経済以降の平成年代において、経済政策の失敗で日本はデフレ化し、先進国の標準的な成長ができなかった。まともな経済成長なら、まだ少しは良かっただろうが、後の祭りだ。先進国でも終身雇用はまずないのだから、日本だけが維持するのは困難であり、個人の雇用環境をいかに保つかを考えなければいけない。

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