記事詳細

米中貿易戦争の余波? 中国で「水だけで走る車」開発の報道も…実は“誤報” 米への対抗心が空回りか

 これも激化する米中貿易戦争の余波なのか。中国内陸部の河南省南陽市で、「水だけで走る車」が発明されたと現地の共産党機関紙が報じた。もちろんこれは「フェイクニュース」で、トランプ米政権に国産のハイテク技術で対抗しようとする焦りが“空回り”したようだ。

 23日に南陽市の中国共産党機関紙が1面記事で、タンクの水を車載装置で水素に変換しエンジンを動かすという車の記事を掲載した。これを市トップの党委員会書記が絶賛したが、どのように水素を生成し動力に変えるかといった詳細な説明はなかった。

 水素で走る車といえば、トヨタ自動車などが販売する「燃料電池車」が実用化されているが、これはタンクの水素を電池で酸素と化学反応させ、発生した電気でモーターを回すという仕組み。当然だが、水をそのまま使うわけではない。

 他のメディアや専門家が疑問視し、市当局は「書いた記者の誤解だった」と釈明に追い込まれた。問題のトラック型の車には充電設備が付いているとも報じられた。

 この車を“開発”したという青年汽車集団の会長は「機密」技術を確立したとあくまで主張するが、水素をつくる仕組みや、電池との関係はあいまいなまま。信用問題や、燃料電池車向けの政府補助金の詐取疑惑も浮上しているという。

 ついには中国工業情報省が27日、問題の車の生産や、補助金申請は法的に認められていないと説明するに至った。

 共産党系メディアは、青年汽車を批判しつつ、もし技術が本物なら「トランプ集団が制裁しないわけがない」と矛先を米国に向けていた。

関連ニュース