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【語り継ぎたい天皇の和歌】陵墓のみならず心も大きな名君 (1/2ページ)

 いよいよ30日から7月10日まで開催されるユネスコの世界遺産委員会で、仁徳天皇陵を含む「百舌鳥・古市(もず・ふるいち)古墳群」が正式に登録される見通しとなりました。日本最大の前方後円墳としても知られる仁徳天皇陵は、「大山(だいせん)古墳」と称され、墳丘の全長は486メートルにも及びます。エジプトのクフ王のピラミッド、中国の始皇帝陵とともに「世界三大墳墓」にも数えられる仁徳天皇陵。現在では宮内庁が治定・管理をしています。

 その仁徳天皇の御製(天皇の和歌)としてもっとも名高いのがこの一首でしょう。古代史ゆえ、作者には諸説ありますが、古来、仁徳天皇の御製として語られ、あの勝海舟もこの歌を踏まえた「国守る大臣(おとど)は知るや知らざらむ民のかまどのほそき煙(けぶり)を」という一首を詠み残しています。

 『日本書紀』に「聖帝」(ひじりのみかど)と称された仁徳天皇。天皇が即位をされてから数年後、高台にあがって周囲を見渡した際、家々から炊煙があがらず、国民が苦しい生活をしていることがうかがえました。都市で炊煙が疎(まば)らだということは、地方ではさらに人々が困窮に喘(あえ)いでいるかもしれません。そのため、仁徳天皇は3年間、全ての課税と賦役(ふえき)を免除して、状況の改善を模索しました。倹約のため宮殿修繕はおこなわず、屋根が傷んでも葺き替えをしなかったため、晴れた日には星空が見え、雨漏りもしていたと語り継がれます。

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