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【高橋洋一 日本の解き方】朝日新聞編集委員との討論 数値なき財政破綻リスクは増税論者に「都合のいい話」 (1/2ページ)

 国の財政状況が戦前に似ているという議論がある。筆者は、5月26日放送のBS朝日「激論!クロスファイア」において、朝日新聞編集委員の原真人氏と討論した。そこで原氏は、財政破綻の可能性を主張した。

 その理由として原氏が番組で使った資料は、債務残高対国内総生産(GDP)の戦前と戦後の推移だった。資料中のコメント文を含めて財務省が作成した資料と非常によく似ている印象だったが、出典は明記されていなかった。

 その資料で原氏は、「戦争による財政破綻と今の状況が似ている」と言いたかったようだが、実際は全く違う。

 資料には政府の資産が記載されていない。第二次大戦期には実質的に政府資産がなかったが、現在は資産が多くある。

 社会の生産力も大きく異なる。戦争期の日本は生産手段を破壊され、生産力がほぼ皆無という状況に追い込まれていたが、今は技術に支えられた生産力があり、これまた全く事情が異なる。

 そもそも、戦時中から戦後にひどいインフレになり国債が紙切れになるのは日本に限らず戦争経験国ならしばしばみられる現象だ。そして、日本のような債務残高比の推移は、日本以外の他の先進国でもみられる。

 筆者は、「財政破綻がリスクであると言うなら、確率として表現すべきだ」と指摘したが、原氏からは説明がなかった。筆者は「財政破綻の確率は今後5年以内で1%程度」と数字を挙げて説明した。

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