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【国防最前線】「相手のことを考える」自衛隊の国際貢献 ケニアではスワヒリ語覚え重機操作教育 (1/2ページ)

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 天然痘、コレラなど予防接種は7~8本、常に飲まねばならないマラリア予防薬など、アフリカへの派遣となると準備することも多い。

 ちなみに、この薬、稲田朋美防衛相(当時)はアレルギー反応が出てしまい、南スーダン視察を急遽(きゅうきょ)中止した。体質によっては、こうしたこともあり得る煩わしさがあるが、ケニアでの重機操作教育(=アフリカ施設部隊早期展開プロジェクト)に派遣される隊員たちは、これらをすべて済ませて、出発した。

 陸上自衛隊の施設部隊は、海外での能力構築支援(キャパシティビルディング)の経験者も多く、ノウハウを積み上げてきた。事前に聞いていた情報と、行ってみたら違ったなどというエピソードは事欠かない。だが、「相手のことを考える」というモットーで乗り切ってきた。英語が通じるはずだったのに、英語の読み書きが全くできない兵士が目の前に座っていることもあった。

 「よし! スワヒリ語を覚えよう!」

 スワヒリ語カードを作っていったのが幸いし、教官で行ったはずの自衛官であったが、思いがけず自分たちが語学の勉強をすることに。ただ、それにより兵士たちとの距離が急速に縮まっていくのが分かった。

 休日には一緒にサッカーの練習をすることもあった。3カ月の教育機関の終わりが近づくにつれ、カリキュラムがとても間に合いそうにないということになり、後半は休日に補講を行うことも多々ある。

 「後れをとっていた数人のみが対象なのに、自主的に受けに来る人もいるんです」

 そんな熱心な教え子がその後、教官になって後輩を指導しているなど活躍の様子を聞くのが、何よりうれしいという。

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