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【負の連鎖~どうなる「引きこもり」と家族】本人も家族も「第三者」への相談が大切! 不安煽り、美辞麗句を並べる“悪質業者”に注意! (2/2ページ)

 安心できる場所に引きこもらざるを得なかった行為を否定して、つらい言葉を投げれば、当事者はますます追いつめられ、重症化していく。周囲が本人の意思を無視して侵入し、外に出そうとしたり、働かないことを責めたりすれば、生きていくことに深い絶望を感じて悲劇に至ることもある。

 「孤立は個人の責任だ」という自己責任論は、国が目指している排除される人のいない社会である「地域共生社会」の理念とは、対極の考え方だ。つらいとき、苦しいときは、本人も家族も外部の第三者に相談することが大事だ。

 ただし、民間支援業者の中には、ネット検索で上位に出てきて「放っておくと大変なことになる」などと親の不安を煽り、「3カ月で解決する」などの美辞麗句を並べる相手は要注意。親や当事者を騙し、本人の意思や人権を無視して連れて行く商業目的の業者に引っかかると、親は子に一生恨まれることになる。

 相談する相手としては、必ず公的な支援につながることと、地域の家族会に情報を求めてほしい。家族会では、同じような体験をしてきた仲間から情報を共有することができるし、愚痴も聞いてもらえる。何よりも「1人じゃない」ことを知って、例会に参加することで「途絶しない関係」を築けることが大事だと思う。

 ■池上正樹(いけがみ・まさき) 通信社などの勤務を経てジャーナリスト。日本文藝家協会会員。KHJ全国ひきこもり家族会連合会理事。20年以上にわたって「ひきこもり」関係の取材を続け、1000人以上の当事者に向き合う。「ひきこもりフューチャーセッション庵-IORI-」の設立メンバー、東京都町田市「ひきこもり」専門部会委員などを務める。著書は『ルポ ひきこもり未満~レールから外れた人たち』(集英社新書)、『大人のひきこもり』(講談社現代新書)、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社/共著)ほか多数。

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