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【高橋洋一 日本の解き方】米国「利下げ検討」報道の背景 失業率低下もインフレ率抑制、実質利上げの日本は円高懸念 (1/2ページ)

 米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げを検討すると報じられている。

 米国経済を見るときのポイントは、失業率とインフレ率である。それに応じて、マクロ経済政策がどのようになるのか、ほとんど予測できる。

 実際の金融政策は「テーラー・ルール」によって行われているといわれる。テーラー・ルールとは、1993年にスタンフォード大学のテーラー教授が提唱したもので、オリジナルな形は、インフレ率と実質国内総生産(GDP)水準の2つから、実際の金利政策がほとんど説明できるというものだ。

 実質GDP水準は、失業率と密接な関係があるので、インフレ率と失業率から決まるといってもいい。具体的にいえば、インフレ率がインフレ目標の2%より高い時に利上げ、低い時に利下げとなり、失業率がNAIRU(インフレを加速しない失業率)といわれる4%より高い時に利下げ、低い時には利上げということが多いとされてきた。

 現在の米国のインフレ率は2%、失業率は3・6%だ(4月現在)。ここ1年くらい、失業率は4%以下となっており、従来のテーラー・ルールからみれば利上げになるという状況だ。

 米経済で、失業率が4%を下回ることは極めて珍しい。戦後を見ても、1960年代後半の4年間程度に見られただけの「超人手不足」状態だ。

 これまでであれば、インフレ率がかなり高くなっているはずだが、まだ高くなっていない。まさにインフレ目標2%の範囲内になっている。

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