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元巨人ドラ1投手、立件へ 東郷証券取締役、損失補填の疑い 華麗な転身遂げたはずが…

 東郷証券(東京都港区)が複数の顧客に対し、外国為替証拠金取引(FX)で生じた損失を補填(ほてん)した疑いがあるとして、東京地検特捜部が同社の男性取締役(57)を金融商品取引法違反(損失補填等の禁止)容疑で、近く立件する方針を固めたことが分かった。この男性取締役はプロ野球巨人の元投手。しかもドラフト1位という輝かしい経歴を持っている。

 関係者によると、東郷証券はFXを行っていた複数の顧客に対し、損失の穴埋めをした疑いがあり、補填額が数千万円に上る顧客もいるという。補填の原資は架空の外部委託費から捻出していたとみられる。

 特捜部はすでにこの取締役らから事情聴取。詰めの捜査を進めているもよう。取締役については東郷証券の実質的な経営者で、損失補填を主導したとみている。

 取締役は1979年のドラフト会議で、巨人から1位指名を受けて入団した。プロ選手として花を咲かせることはかなわなかったものの、引退後に働き始めた証券業界で頭角を表し、老舗証券会社の社長を務めた。当時の新聞では、《元ドラフト1位、社長で登板》と紹介された。

 華麗な転身を遂げた取締役が手を染めた疑いのある損失補填は、バブル崩壊後に大手証券会社などで発覚して社会問題となり、91年の証券取引法(現金商法)改正で禁じられた。

 過去のインタビューで、取締役は「一軍で活躍した人はともかく、私のような人は次の目標がなく、投げやりになる人もいる」と話していた。

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