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【経済快説】与野党ともに頼りない「2000万円」炎上騒動 「公的年金では足りない」怒るのはおかしい (1/2ページ)

 金融庁が発表した「高齢社会における資産形成・管理」と題する報告書(金融審議会市場ワーキング・グループ報告書)が「炎上」している。報告書の中にある高齢家計の生活費の試算で、夫婦が95歳まで生きるとすると、公的年金だけでは生活費が足りず、2000万円不足すると指摘したことが問題にされているようなのだが、そのどこが問題なのだろう。

 野党の一部はこの報告書を7月に行われる予定の参院選の争点にすると息巻いている。彼らの言い分は「政府・与党はこれまで『年金は100年安心』だと言ってきたのに、今頃になって2000万円足りないから自助努力せよとは話が違う」ということらしい。中には、「まず国民に謝るべきだ」と言う議員もいる。

 年金を争点にできると選挙で有効かもしれないという意図は分かるのだが、はっきり言ってこの追及は的外れで愚かだ。

 「100年安心」は、国民の家計が安心であることを指すのではなく、年金財政が対象だ。今の仕組みで公的年金を運営した場合、年金財政が維持できるという厚生労働省が5年に1度行う財政検証の結果を指す。

 年金の支給額を大きくしようとすると年金保険料の負担が重くなるが、仮に年金支給額を大きくしても、現役時代と老後の両方を通じて自分の所得から見て妥当な額以上にお金を使っているなら、将来の生活費が足りなくなることは避けがたい。これ自体は、個人の支出配分の問題であって、年金制度の問題ではない。

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