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【負の連鎖~どうなる「引きこもり」と家族】家庭内暴力は「密室化」防ぐことが重要! 通報やシェルター避難も視野に (1/2ページ)

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 「8050問題」(50代の引きこもり状態の子供を80代の親が養っている状態)の場合を含む引きこもり状態では、“家庭内暴力”がありながらも、悲劇が起こるまで表面化しにくい、という深刻な問題がある。

 長男を殺害したとして送検された元農水次官・熊沢英昭容疑者(76)も、長男が引きこもりがちになった中学生頃から両親に対する家庭内暴力が始まったと供述している。長男は、10年以上前から別居していたが、先月下旬から東京都練馬区の実家に戻った後、再び家庭内暴力が始まったということだ。

 引きこもり状態では、しばしば家庭内暴力が見られるが、その発生率は正確には分からない。それは、家庭内暴力には慢性や一過性などさまざまなケースがあり、また家庭内暴力は特定の疾病を示すものではないため、包括的で信頼できる統計資料が乏しいからである。

 先述したように、家庭内暴力は悲劇が起こるまで表面化しにくいのだが、それは誰にも相談できないという「密室化」が関係している。熊沢容疑者の事件でも練馬区の区役所など行政は、相談が寄せられたことはなかったと言っている。家庭内暴力は密室化した家族関係のもとで起こり、密室でないところでは起きにくい問題である。

 家庭内暴力があると、引きこもりへの適切な対応は非常に難しくなり、暴力が慢性化すると家族だけで止めることは容易ではない。家庭内暴力の問題を家族だけで抱え込んでしまい、視野が狭くなり、精神的に思い詰められた家族が本人を殺してしまったという悲劇は、過去にも起きている。家族が家庭内暴力に耐える姿勢を示すと、ますます暴力がエスカレートしてしまうこともある。

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