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タンカーへのテロ攻撃めぐり、米とイラン“真っ向対立” ホルムズ海峡封鎖なら世界経済“大打撃” 識者「日本がリーダーシップを」 (3/3ページ)

 この直後、タンカー攻撃のニュースが飛び込んできた。

 テロ攻撃の、犯人と背景をどう分析すべきか。

 海洋防衛の専門家、東海大学海洋学部の山田吉彦教授は「基本的に、外見から日本に関係するタンカーかどうかは分からない。ただ、安倍首相のイラン訪問を意図的に狙って海上テロを起こしたのではないか。『アラビア半島周辺、ホルムズ海峡の危険度が高い』ことを示そうとする、イスラム過激派が起こしたのだろう」と語った。

 ホルムズ海峡は、原油と石油製品を合わせて日量1800万バレル以上が運ばれる「世界エネルギーの大動脈」だ。この地域で軍事的緊張が高まり、タンカーの航行に支障が出たり、万が一、「海峡封鎖」といった事態になれば、世界経済、日本経済は大打撃を受ける。

 ■タンカー攻撃 米中首脳会談に影響か

 世界経済に詳しい上武大学の田中秀臣教授は「今回のタンカー攻撃で、原油の先物価格が上昇するなど、原油価格の不安定化が予想される。日本経済への悪影響も否めない。米中貿易戦争とは別枠で、世界経済に赤信号が灯った」といい、続けた。

 「これが、大阪で開かれるG20(20カ国・地域)首脳会合前に起こったことが興味深い。原油価格の高騰で、イランやロシアなどに原油を依存している中国経済に悪影響が出る。日米欧による『対中包囲網』や、香港でのデモ激化もあるなか、G20に合わせた米中首脳会談がまとまらず、決別する可能性もあるのではないか。習近平体制の先行き不安定化も考えられる。日本政府も、経済シナリオの変更を求められるかもしれない。安倍首相が『消費税増税延期』を判断しやすい環境になるのではないか」

 ホルムズ海峡では、過去にもテロ被害が相次いでいる。

 2010年7月には、航行中の商船三井の原油タンカーが爆発とみられる衝撃で損傷した。今年5月には、サウジアラビアが自国のタンカーが攻撃を受けたと発表した。この地域の安全をどう守るべきか。

 前出の山田教授は「イランと軍事的緊張を高めているため、米国が主導権を持って同海域を警戒監視するのは難しい。今こそ、国際的な協力態勢のもと、日本がリーダーシップを発揮すべきではないか。アフリカ東部ソマリア沖のアデン湾での海賊対処活動では、海上自衛隊のP3C哨戒機が活躍している。世界のために、日本が衛星や航空機を使って警戒を強化すべきだ」と語っている。

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