記事詳細

【大前研一 大前研一のニュース時評】原発6基「テロ対策不十分」で稼働停止か 簡単ではない対策 (1/2ページ)

 九州電力の川内原子力発電所1号機(鹿児島薩摩川内市)が来年3月に運転を停止する。原子力規制委員会が「テロ対策の特定重大事故等対処施設の完成が期限に間に合わない原発を停止させる」と表明したのを受けたもの。

 テロ対策の遅れによる原発の稼働停止は全国で初めてとなる。川内原発2号機も来年5月に停止し、2例目になるのは確実。今後、関西電力や四国電力などで再稼働した原発のうち、6基が停止を迫られる可能性もある。これはかなり深刻な問題だ。

 現在、稼働している原発は9つある。関西電力大飯原発3・4号機と高浜原発3・4号機、九州電力玄海原発3・4号機と川内原発1・2号機、四国電力伊方原発3号機だ(玄海原発3号機と大飯原発3号機は定期検査で停止中)。

 この9つのうち6つが「テロ対策不十分につき」と停止に追い込まれることになれば、尋常ならざる状況だ。

 電力会社のほうも「テロ対策不十分」という理由でまさか原発が止まることはないだろうと、甘く考えていたのだろう。私も、よくここまで突っ込んだことを原子力規制委員会が言えるなと思ったものだ。

 原子力規制委員会としては、「甘く見るな! 電力会社がそんな肝試しのようなことをするんだったら、コッチもやってやろうじゃないか」とムキになってしまったのではないか。今後、政治的な力が働いて、「稼働停止の停止」ということがないとは言い切れない。ただ、テロ対策というのは、そんなに簡単なものではない。

関連ニュース