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【富坂聰 真・人民日報】習近平氏の訪朝目的…対立ではない「脱米」 中国は米国の「一部の政治勢力」に狙い? (1/2ページ)

 メディアの悪しき習慣だが、今回も全開となった場面がある。

 習近平国家主席の訪朝の一報を受け、世界中のメディアが早速「対米カード」と位置付けたことだ。

 国際政治を扱う上で便利でかつ魔法のワードだが、現実をゆがめている。中国を、馬鹿の一つ覚えのように「北朝鮮の後ろ盾」と表現するのと同じで中身などない。少なくとも私は、1990年代以降の中朝関係で、「中国が北朝鮮の後ろ盾だった」なんて状況を、見たことも聞いたこともない。

 よって訪朝の目的は対米カードなどではない。そもそも対米カードというのなら、「中国の影響力の下で北朝鮮が妥協する」ことが条件だが、そんな簡単に妥協できるのなら北朝鮮が中国を間にかませるメリットは何なのか。直接トランプ大統領と交渉した方が、百倍有益だろう。

 第一、中朝が蜜月だからって、アメリカからどんな妥協が引き出せるというのか。逆に教えてほしいくらいだ。

 冒頭から愚痴っぽくなってしまったが、今般の訪朝は何を目的としていたのか。

 キーワードは「脱米」であろう。

 と書くと気の早い読者はすぐに「中朝が結託してアメリカと対抗」と解釈するかもしれないが、そうではない。あくまで対立を意味する「脱米」ではなく、「ちょっと距離を置こう」といったニュアンスだ。

 実は、この連載でも書いたように、中国は昨年末から、すでに北朝鮮への制裁を部分的に解除してきている。これにロシアも乗ってきているし、韓国も乗り始めている。

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