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【高橋洋一 日本の解き方】明確になった財務省の復権 「骨太方針」意に介さず財政審建議…不祥事連発でも消費増税へ (1/2ページ)

 財政制度等審議会(財政審)の建議で、「基礎年金給付水準が想定よりも低くなることが見込まれる」とした記述が削除されたと報じられた。

 財政審は、財務大臣の諮問に応じて国の予算、決算及び会計の制度、財政投融資制度、財政投融資計画及び資金運用部資金等に関する重要事項を調査審議し、財務大臣に意見を述べること等を行う(財務省設置法第7条)。財務大臣に対する意見を建議という。

 建議書は、委員の中で選ばれた起草委員が書いているとされるが、筆者の知る限り、財務省の官僚が下書きをして起草委員が筆を加えることになる。もちろん財務省の官僚もその作業に加わる。

 建議書ができあがるまでは、文案修正の繰り返しである。委員としても、審議会が“政府の隠れみの”で審議会委員はそのための“政府のポチ”だと言われるのはイヤなので、存在感を見せるために文案修正にこだわる人もいる。

 いずれにしても、最終的な建議書ができるまで、文書が修正されるのは当たり前だ。これは財政審に限らず、どんな審議会でも同じだ。新聞記事でも、紙面に載るまでいろいろな人が筆を加えるのだろうし、どのような文書にも言える。むしろ、修正がどのような意図であったかが問われるべきだ。

 年金給付水準が下がっていくというのは、一般論としてその通りだ。もともと給付の所得代替率(手取り収入に対する年金額の割合)は年金制度を維持できないほど高かったのでその調整が必要だからだ。そうした調整を経済状況に応じて行うためにマクロ経済スライドが2004年から導入された。

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