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令和で「万葉集」勉強会が大人気! 奈良県立万葉文化館、気鋭の研究者が熱血指導

 元号「令和」の典拠となった万葉集が注目される中、奈良県立万葉文化館(同県明日香村)が開いている無料講座「万葉集をよむ」が人気上昇中だ。気鋭の研究者3人が交代で講師を務め、「難しい」との声にも「その先に面白さがある」と熱血指導。急増する“ビギナー”に万葉集の魅力を伝えようと奮闘する。

 講座は2008年に開始。約4500首を収めた万葉集を最初から順に数首ずつ、毎月1回1時間半かけて解説している。定員は150人だが、今年4月の元号発表後は300人以上が訪れ、職員が追加で椅子を置くなど受け入れに追われた。

 講師は同館研究員の井上さやかさん(48)、大谷歩さん(33)、吉原啓さん(36)。万葉集の入門書を監修したこともある井上さんは、サイン会が開かれるほどの人気ぶりだ。

 5月の回は吉原さんが担当し、山上憶良の歌を巡る複数の解釈や自身の説を示しながら、奈良時代の手紙の書き方を解説。「万葉集を中心に広い視点で古代社会全体を捉えてほしい」と話す。

 「常連」だという同県橿原市の小西光雄さん(72)は「専門的で難しい」と苦笑しつつ、「歌の意味だけじゃなく歌人や時代の背景まで、聞き応えがある。万葉集は勉強すればするほど奥深い」と満足げだ。

 受講者の年齢層は高めだが、最近は若者や初めて万葉集に触れる人も多い。「分かりやすさは心掛けるがレベルは下げない」と大谷さん。「『分からない』の先に好奇心や面白さがある。そう思ってもらえる講座にする」。歌の舞台となった土地には必ず足を運び、写真を資料に載せるなどして理解を助ける。

 全20巻のうち、今年は偶然にも「令和」引用元の「巻五」が題材。典拠となった漢文の解説は既に終わっているが、井上さんは「中国文学の影響を強く受けているのが巻五の特徴。当時の人々の教養の豊かさを堪能して」とアピールする。

 受講は事前申し込み不要で、1回だけの参加も可能。万葉の歴史に触れてみては。

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