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【高橋洋一 日本の解き方】「韓国抜き」の米朝電撃会談、トランプ氏は大統領選にらみ成果を狙う 拉致問題解決も“日米協調”重要に (2/2ページ)

 結果としてみれば、やはりトランプ氏のツイートを正恩氏が見て反応し、会談が開かれたということで、両者の個人的な関係がものをいったのだろう。この米朝首脳会談で、韓国がお膳立てした形跡はうかがえない。

 外交としてみればまったく異例であるが、ともあれ、トランプ氏は、軍事境界線を越えて北朝鮮に入った初めての米国大統領になった。

 ただし、事前の事務折衝がなかったので、中身の議論には入れず、決まったのは米朝両国で実務者チームを動かすという手続き面だけだった。それでも、ベトナム・ハノイでの2回目の首脳会談が決裂後、膠着(こうちゃく)状況となり、北朝鮮が挑発気味だったのをトランプ氏が諫(いさ)める効果はあった。同時に、トランプ氏は、北朝鮮での成果を来年11月の大統領選に政治的に使うという意図もハッキリした。

 これから米朝間の実務者協議が始まるとみられるが、トランプ氏は大統領選をにらんで変な妥協をしにくい。経済制裁は継続しつつ、朝鮮半島の非核化にはついては拉致問題を抱える日本が最後のピースになるという構図は変わりがないだろう。

 今回の米朝首脳会談を見ても、トランプ氏と正恩氏の個人的関係の重要さが前面に出ており、韓国の影は薄い。もし韓国が仲介していれば、米韓朝の3カ国会談になっただろうが、実際には「米朝」だったことから、「韓国抜き」で米朝協議が可能であることを示した。日本は米国と協力して、北朝鮮問題にあたるといいだろう。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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